SOAS University of London

SOAS Language Centre

Maneki Neko (Beckoning Cats)

招き猫
Pic by Leana Coyle

コイル 恵実 リオーナ Leana Coyle
Lower Advanced Japanese

いらっしゃ~い

江戸時代に登場したと言われている招き猫は、明治時代に入り、幸運、幸福、繁栄を招く運の良い縁起物として、広まっていった。現代でもよく、店の入り口などに飾ってある猫の置物、それが招き猫である。仏教では、「信仰深い人の魂は、猫の身体の中で、一時的に眠ることができる」という考え方から、猫は幸福を招くと信じられているようだ。

招き猫は、何色かの違う色で作られているが、三色の招き猫が一番有名で人気がある。それは三色の招き猫は一番幸運と幸福を招く信念があり、遺伝学において、世界中で三色猫の雄は珍しいと思われているからである。白と黒の二色の招き猫も人気がある。白は一番に幸運を招き、純粋を表すと思われている。黒の招き猫は魔除けのためでもあり、子供が病気から回復できると言われている。現代の日本で黒の招き猫が女性の間でどんどん人気が増してきているが、それは、ストーカーをかわす目的である。

赤の招き猫は一般的には、はやりはないが、厄よけとして、そして、病気にならないようにと願って、買う人もいる。金色は富を招くと思われており、ピンク色は恋を招いてくれるようだ。

招き猫の飾りはほとんど赤い首輪、鈴、前掛け、それに金色のコイン。この四つの飾り物は江戸時代の習慣によるもののようだ。この時代には猫は高級ペットで、高い身分を表わす物であった。江戸時代の裕福な女性は個人で飼っている猫に、よく赤い花で作られた首輪をつけて、その首輪に鈴を付けた。鈴はおしゃれのためではなく自分の猫の居場所を知るためであった。前掛けをつけた招き猫もある。前掛けの意味は明らかではないが、仏教の伝統に関係があると考える人が多い。仏教の習慣では病気の子供や亡くなった子供や妊娠している女性を守護してくれる仏陀がいる。お地蔵様に亡くなった子供の服を飾り、「自分の子供を守ってくれますように」と願う親もいる。また、子供の病気が治って、親はこの守護の仏陀の導きにありがたいと言う気持ちを伝えたいため、帽子や前掛けを供える。最後に、全ての招き猫は「小判」すなわち、江戸時代の金色のコインを持っている。千万両の小判が一般的である。

Pic by Leana Coyle

招き猫の置き物は必ず右か左の手をあげている。約 60%は左手の方をあげている。左手はお客を店に招き入れ、右手は幸運と繁栄を招くと言われている。手の高さにも意味がある。手が高ければ高いほど幸運と繁栄を招くと信じられている。

すべての招き猫は、手のひらか手の甲で招き入れている。どちらにするかは、面白いことに、日本国内使用か、輸出用かにより、日本と外国との文化の違いを表しているのである。それは、日本人は普通、人を呼ぶとき、手のひらを外側にして「おいで、おいで」と指を動かすが、外国では、手の甲のほうを見せて、人を呼ぶからなのである。

招き猫は、昔の日本の縁起物の一つであるが、今では世界中に広まっている物でもある。それは幸運や幸福を招くからなのか、それともただ単に、日本文化の人気者だからなのか。いずれにしても、招き猫を、日本国内だけではなく、外国でもよく見掛けるのは、世界中のどの国の人々も幸せを望んでいるからなのではないだろうか。

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