SOAS University of London

SOAS Language Centre

Lower Advanced Japanese Projects 2007: Sonja Ruehl

漱石のロンドン7

ソニヤ・ルール
何故、小説を読むのか。それは日本の小説を読むと、多分、今の日本人の考え方と気性を捜し出せることが、一つの目的であろう。ただ、日本の一番有名な小説家の一人である夏目漱石の場合には、書き物の中に20世紀初頭英国がどう見えたかについての話題も含まれている。特に、ロンドンについて。1900年にロンドンに住んでいた時、漱石は最初にガーワー・ストリートにある家に下宿した。私たちの今の教室の近くである。
漱石の見たロンドンはどうであったか。1901年の「ロンドン消息」にはそれらが簡単に書き表されている。朝食にオートミールで作った粥、ベーコン、トーストを食べ、紅茶を飲んだ。交通では、地下鉄で旅行しようと思って、バンクから西方に旅行して、切符が定価であった。その頃、地下鉄は新しい現象であり、漱石の経験は、「こうもりのように洞窟の暗黒に下る」というふうな感じであった。
この話は漱石の複雑な書き物の中にはない。ロンドンの普通の生活の詳述である。これを書いた作家の目的は、日本の人々にロンドンの様子を説明したかったのである。読み易くて、面白い爽快な話と見えたであろう。
私もその頃の日本人と同じ様に、20世紀の変わり目のロンドンを見物する機会はなかった。で、私にとっても現在のロンドンの住人として、「ロンドン消息」は意義深いのである。1900年から今に至るまで、たくさん変わっていても本当はあまり変わっていない。私たちの現代においても、同じものを食べ、飲み、昔と変わらぬ考え方と心を持っているように思える。

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